社会保険の資格得喪の手続きについて

2021.01.06

Q:当社で雇用しているパートですが、まもなく雇用期間が満了します。再契約するつもりですが、経理から注文がありました。
雇用期間と賃金計算期間にズレがあるので、この機会に調整したいというのです。
数日空間期間を設けた場合、いったん、社会保険の資格を喪失させる必要があるのでしょうか。

A:使用関係が継続なら不要ですが、実態に照らして個別に判断する必要があります

以下では、健康保険法の条文を使ってご説明します。
健保の適用事業に使用される者(および任意継続被保険者)は、適用除外の対象者を除き、被保険者となります(健保法3条1項)。
逆に言えば、「使用されなくなれば」資格を喪失する理屈です。

健保法では、資格喪失の理由として4種類を挙げています(36条)。
①死亡した時
②事業所に使用されなくなったとき
③適用除外事由に該当するに至ったとき
④所属事業所が任意適用事業所でなくなったとき

お尋ねのケースでは、雇用期間が満了した時点で、いったん、契約関係が終了します。
みかけ上は、「事業所に使用されなくなる」形となります。
しかし、数日後には、再契約することが決まっています。

そうした場合も、資格の喪失・再取得の手続きが必要になるのでしょうか。
平成26年に、この疑問に答える通達が出されています(H26.1.17保保発0117第2号)。

同通達では、「使用関係の有無は、契約の文言のみではなく、就労の実態に照らして個別具体的に判断する」という考え方を示しています。
「有期の雇用契約が1日ないし数日の間を空けて再度行われる場合いおいても、雇用契約の終了時にあらかじめ、事業主と被保険者との間で次の雇用契約の予定が明らかである」ような場合、被保険者資格を喪失させる必要がないとされています。

ご質問にある方についても、「事実上の使用関係が中断なく存続している」と解されるので、手続き不要です。

参考:労働実務事例研究(2020年版)