フレックスの割増計算について

2020.10.16

Q:フレックスタイムで清算期間を3カ月に延長することができるといいますが、時間外が生じるパターンとしてどういったケースが想定されますか?

A:残業が生じるパターンは4つあり、月平均で50時間超えに注意する必要があります

フレックスタイム制に関する労基法32条の3は、清算期間を3カ月以内の期間としています。
1カ月でも差し支えなく、また、1カ月半などの清算期間でもよいと考えられます。

フレックスタイム制の法定労働時間の総枠となるのは、
1週間の法定労働時間×清算期間の歴日数÷7です。
月31日なら177.1時間、30日なら171.4時間というふうに決まります。
3カ月の歴日数が何日あるか、92日なら525.7時間、91日なら520時間というように決まります。
時間外・休日労働(36)協定に関しては、原則として清算期間を通算して時間外労働をすることができる時間(特別条項を付加する場合を含む)を協定すれば足ります。
ただし、清算期間が3カ月の場合も、36協定は1カ月単位で協定します。

清算期間が1カ月を超え3ヶ月以内の場合に時間外労働となるのは、下記の時間です(法32条の3)。
①清算期間を1カ月ごとに区分した各期間(最後の1カ月未満の期間を含む)における実労働時間のうち、各期間を平均し、1週間当たり50時間を超えた時間
⇒週40時間を50時間に置き換えて、各期間の総枠は計算できます。
 月31日なら221.4時間、30日なら214.2時間となります。
②清算期間の法定枠を超えた時間(ただし、①の時間外労働時間を除く)

上記をまとめると、清算期間が1カ月を超える場合に時間外労働が生じるケースには、次の4パターンが想定されます。
1)総枠のみ超過する場合
2)1カ月など区分期間の枠のみ超過する場合
3)総枠と区分期間の枠の両方で超過するが、区分期間の部分を清算すると総枠を超えない場合
4)総枠と区分期間の枠の両方で超過し、区分期間の部分を清算しても総枠を超える場合
ここでは、③を検討してみます。

3カ月の総枠が、520時間(歴日数91日)のとき、例えば結果的にこれを20時間上回ったとしても、1カ月単位でみて週50時間平均の枠を上回る時間が合計20時間以上あれば、総枠の方で時間外は発生しないということになります。

参考:労働実務事例研究(2020年版)